生活保護・介護保険制度・認知症
ここでは、生活保護・介護保険制度・認知症について詳しくご紹介いたします。
制度や仕組みを正しく理解し、利用できる知識を身につけましょう。
生活保護について
『大病を患って、仕事を継続できなくなってしまった』
『離婚によって母子家庭になってしまった』
『貯蓄が無く、年金では生活費を賄いきれない』
など・・・・人生においてお金の問題は、切っても切り離せず、かつ突然訪れるものです。
理由は色々あるかと思いますが、どうしようもないお金の問題に直面した時に最低限の生活を保障するために、最低限の生活費の支給や、病院の診察代、介護を受ける費用などを国が肩代わりしてくれる制度が生活保護制度です。
この生活保護の受給利用者のうち、4割以上が、65歳以上の高齢者です。
近年は、厚生年金の支給額が低いため、お金で苦労する高齢者の方も多いのではないかと思います。
国はお金がない人を決して見捨てたりはしません。人生の最期まで最低限度の生活を送ることができるように制度を整えています。
不正受給の横行など、生活保護に対して悪いイメージが世間にはあり、生活保護を受給することに抵抗がある方も多いかもしれません。しかし、生活保護は国が定めた制度であり、正しく利用することには何の後ろめたさも持つ必要はありません。
今は、まだ金銭面での苦労がない利用者様も、いつ何が起こり困窮に陥るかわかりませんので、生活保護制度について余裕がある時に勉強しておくことが大切です。また「お金に今まさに困っている」、「生活保護の申請をしたい」という方は、以下の項目を読み進めていただければ、生活保護について理解していただけるかと思います。
生活保護の受給の条件と得られる補助について
生活保護で得られる補助は大きく分けると2つで、「生活費の受給」と「扶助」と呼ばれる補助です。順番に見ていきましょう。
生活費の受給
生活費の受給は生活する上で最低限のお金を国が支給してくれるというものです。受け取れる金額は地域や家族構成などによって異なりますので、必ず都道府県や市長村の職員、もしくは専門家に相談をするようにしてください。一般的に受け取ることのできる金額は、地価や物価が高い地域ほど高く設定されており、支給金額による地域間の格差をなくすものととらえてください。
また、生活保護による金銭の支給は個人ではなく世帯に支払われるものです。例えば、高齢者の夫婦世帯の場合は利用者様の個人に支給されるのではなく、夫婦世帯に支給されるということです。また、ご本人様だけでなく配偶者の方やご家族様の分も保証をしてくれますが、世帯としての収入が生活保護の最低基準額に達しない場合のみ支給されるものなので、注意が必要です。
ここで、高齢者が生活保護を受給するために必要な条件について見ておきたいと思います。
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世帯の収入が厚生労働省の定めた最低生活費を下回っている
高齢者世帯の場合は多くの場合は年金が大きな収益源になっているのではないかと思います。この年金の支給額とその他の収入が、最低生活費を下回った場合にのみ、最低生活費との差額を制度が補てんしてくれます。支給額は地域によって異なりますので、必ずお住まいの地域の役所や専門家にお尋ねください。 -
資産を活用する
生活保護を受給するためには、資産を保有している場合はその資産を売却し生活費に充当してからでないと受給することはできません。不動産、そして自動車など、資産として該当することもあればしないこともあるものなどもありますので、自身の何が資産にあたるのかについては、一度専門家にご相談ください。 -
働ける場合には働く
高齢者であっても労働をすることができる場合には、労働することが求められます。生活保護を利用する前には、シルバー人材センターなどで能力に応じた収入を得ることが求められます。 -
扶養義務者の扶養を活用する
生活保護法では、三親等までは扶養義務があると定められています。高齢者の場合は御両親は存命ではないケースが多いので、実質的には、子供や兄弟からの援助を可能な限り受けなくてはいけません。しかしながら、子供や兄弟との関係が良くないケースもあり、現実的にお願いがしにくいという場合もあります。うちのケースでは「どうなんだろう?」と迷いましたら、一度専門家にご相談ください。 -
年金などの手当を最大限に活用する
厚生年金や障害年金のように生活保護制度による給付を得られる場合には、そちらを優先して生活費に充当することが求められます。ちなみに、年金を受給しているからと言って、生活保護を受給できないことはありません。年金の金額が最低生活費に満たない場合には差額が支給されます。
以上が生活保護の受給の条件になります。 ただし、以上の条件もケースによっては満たしていなくてもOKという場合もありますので、生活保護を申請する前には受給できるかどうかについて、必ず専門家に相談するようにしてください。『北摂の老人ホーム・介護施設相談室「ういず」』では、高齢者の生活保護についてのご相談も受け付けておりますので、お気軽にお電話ください。
扶助
生活保護制度は、扶助と呼ばれる補助があり、金銭以外にも最低限の生活を送る上で必要なことを補助してくれます。例えば、利用者様が最も気にする医療や介護に関する費用、高額になったらどうしようという心配もあるかと思いますが、生活保護を受けていれば、それぞれ医療扶助、介護扶助によって無償で受けることができます。
- 生活扶助・・・日常生活に必要な費用(食費・衣服費・光熱費)
- 住宅扶助・・・住まいの家賃など
- 教育扶助・・・義務教育を受ける上で必要な学用品の費用
- 医療扶助・・・医療のサービス費用
- 介護扶助・・・介護のサービス費用
- 出産扶助・・・出産にかかる費用
- 生業扶助・・・就労に必要な技能習得にかかる費用
- 葬祭扶助・・・葬祭の費用
誰に相談すれば良いのか、受給の方法について
生活保護で得られる補助は大きく分けると2つで、「生活費の受給」と「扶助」と呼ばれる補助です。順番に見ていきましょう。
生活費の受給
お金に困っている、生活保護を受給したいと思った場合は、お住まいの地域の福祉事務所を尋ね、まずは一度相談をしましょう。
福祉事務所は地域によっても異なり、役所の中にあるなどさまざまですので必ず場所を調べてから訪問しましょう。
相談後は、高齢者世帯で生活保護を受けるにあたって必要な書類を提出します。提出するべき書類に関しては、家庭の事情やケースによって異なりますので、必ず役所の担当者にしっかりと確認をとりましょう。多くの場合、収入や資産の報告書の他、関係機関に対して同意をする旨を伝える同意書の提出などが求められます。
その後、福祉事務所の職員による家庭訪問調査が入り、資産を所有していないか、年金をいくら受け取っているのかなどをヒアリングされますので、正直に質問に対して回答をしましょう。調査後は審査が入り、その結果が2週間~1か月程度で郵送によって通知されます。
生活保護の申請が受理された場合は、後日再び福祉事務所へ足を運んでください。そこで、受給方法を、手渡しにするのか、口座入金にするのかを決めることができます。
生活保護の申請は、自身の置かれている家庭環境によって、やらなければいけないことが変わってきます。ご自身の判断に少しでも不安がありましたら、迷わず専門家に相談をしましょう。
『北摂の老人ホーム・介護施設相談室「ういず」』は、生活保護に関する相談も受け付けておりますので、まずはお気軽にお電話ください。
介護保険制度の仕組み
介護保険制度とは、介護が必要になった人が適切な介護サービスが受けられるように助け合う仕組みの事です。
40歳以上の国民全員が毎月お金を積み立て、65歳以上の方が介護サービスを受ける際に、利用料の一部を積みたてたお金から支払うことで、介護サービスを利用されるご本人様とその担い手になりうるご家族様の金銭的な負担を減らすことを主な目的としている制度になります。
制度そのものは、医療サービスを受ける際の健康保険と類似しているため、なじみやすいものに感じられるかもしれませんが、要介護認定のレベルによって受けられるサービスの限度額が異なる点や、特別養護老人ホームのように要介護度が3以上ないと入所することができないなど制限も多く、いざサービスを受ける立場になると混乱される方は少なくありません。
自分はまだ若いから大丈夫。利用者様も元気そうだから今すぐ介護は必要ないと思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、介護というのは本当に突然やってくるものです。いざ介護が必要になったときに慌てないためにも、余裕のある時に勉強しておくことが大切です。
また、もし仮に、緊急でご家族様の介護に直面しているという方は、以下の項目を読み進めていただければ、介護の問題について誰に相談をすれば良いのかについてお分かりいただけるかと思います。
介護保険の基本事項
介護保険を利用する上で基本として押さえておかなくてはいけないのは、大きく分けると2つです。
「介護保険制度の仕組み」と「サービスの流れ」を押さえておけば、サービスを受ける上では大きな問題はありません。
まずは、介護保険制度の仕組みから見ていきましょう。
介護保険制度の仕組み
左図は介護保険の仕組みについて示したものになります。制度としてお金の細かな出どころなど、流れに関しては無理に覚える必要はありません。
介護サービスの利用者として知っておいてほしいのは、主に以下の3つになります
(要介護認定の受け方については、後述します)。
- 40歳以上になると介護保険の被保険者となり、毎月一定の金額を払わなければいけない
- 65歳以上の人は介護サービスを費用全体の1割~2割の値段で受けることができる
- 介護サービス以外の費用は、介護サービスと併用しても保険の対象にはならない
右に一例として、目安となる居宅介護サービスの1か月の利用限度額を掲載します。
あくまで一例ですので、限度額は普通にサービスを利用していても届くことはありませんのでご安心ください。
また、入所する施設や利用者様の介護度、地域サービスによっても金額が変化するので、詳細な金額を把握したい場合には、専門家に相談をすることが一番です。もちろん、当相談室にお電話いただければ、利用者様の場合には、月々に介護サービスにかかる費用がいくら程度なのかについて、無料でお答えいたしますので、お気軽にお電話ください。
要支援1 | 50,030円 |
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要支援2 | 104,730円 |
要介護1 | 166,920円 |
要介護2 | 196,160円 |
要介護3 | 269,310円 |
要介護4 | 308,060円 |
要介護5 | 360,650円 |
サービスの流れ
介護保険の保険料を支払っている人(被保険者)が、サービスを利用するためには、公的な機関から「この人は介護サービスを必要としています」と認めてもらう必要があります。これを「要介護認定」と呼びます。
この要介護認定は、地域によって多少異なる場合もありますが、基本的には以下の3つのどこかに認定調査の依頼を申請します。
- 市区町村の窓口
- 居宅介護支援事業所
- 地域包括支援センター
申請後は、訪問による「認定調査」、「コンピューターによる一次判定」、そして介護認定審査会による「二次判定」という3つのステップを踏み、結果として介護サービスが必要とされれば、「要支援・要介護認定」を受けることができ、ケアマネージャーと呼ばれる介護のプロフェッショナルが無料で、必要な介護サービスを見極めた計画表「ケアプラン」を作成してくれます。そのケアプランを基に、介護事業所からのサービスを1割~2割の金額で受けることができます。
介護保険で受けられるサービス
介護保険のサービスを受けるためには、要介護認定を受けることが必要になります。
介護保険で受けることができるサービスは、「自宅で介護サービスを行う居宅介護サービス(居宅サービス)」、「施設へ入所してそちらで介護サービスを実施する施設サービス(施設サービス)」、そして「市区町村が監督する地域密着型サービス(地域密着型サービス)」の3つに分けることができます。
居宅サービス
居宅支援サービスは全部で13種類が存在し、要介護者には介護給付サービス、要支援者には予防給付サービスがあります。押さえておくべきポイントは、居宅サービスを使うとどんな支援を受けることができるのかということです。介護保険で受けることができる居宅サービスも4つの種類に分けることができます。
- 訪問サービス(ご自宅で受けるサービス)
- 医療扶助・・・食事・排泄・入浴などの身の回りの世話をしてくれます
- 生活援助・・・掃除・選択・買い物・調理などをお手伝いしてくれます
- 送迎・・・通院などの際の乗車、移送、降車などをお手伝いしてくれます
- 訪問看護・・・看護師が自宅を訪問し医師の指示に基づく医療行為の処置をしてくれます
- 訪問リハビリ・・・看護師が自宅を訪問し医師の指示に基づく医療行為の処置をしてくれます
利用者様がご自宅で生活する際にお手伝いが必要なことを援助してくれるサービスです。
- 通所サービス
- 通所介護(デイサービス)・・・施設に通って食事や入浴、簡単なリハビリを受けられます
- 通所リハビリ・・・自宅で生活を送れるようになるために、老健や病院など専門的な施設で高度なリハビリを受けられます
施設と在宅間の送迎に関しては基本的には施設が行ってくれるので安心です。
身体機能の改善だけでなく、自宅に引きこもりがちな利用者様の孤独感の解消、ご家族様の介護の負担の軽減などを目的としているサービスです。 - 短期入所サービス
- 短期入所生活介護(ショートステイ)・・・利用者様の体調がすぐれない場合や冠婚葬祭、出張などでご家族様の介護が難しい時にご家族様に代わり介護をしてくれます
- 短期入所療養介護(ショートステイ)・・・利用者様が自宅に復帰できるように医療機関や老健などが日常生活のお世話に加えて、医療、看護、機能訓練などを提供します
永住する施設ではないので、利用できる期間は連続で30日までと定められています。
食費や滞在費などの日常生活の費用は別途で負担する必要があるので注意しましょう。 - 福祉用具のレンタル
- 福祉用具付与・・・介護度に応じて、手すりの取り付けや車椅子などをレンタルできます
- 福祉用具販売・・・入浴や排泄など付与に適さないものについては販売されています
こちらも介護保険内のサービスで、費用の1割(所得によっては2割)は利用者様が負担します。
購入の場合は、一旦費用は全額支払った後に費用の9割が介護保険より戻ってきます(償還払いの申請が必要になります)。
以上が、居宅サービスに分類されるサービスの概要です。
概要と言っても利用者様の要介護度や地域によって、援助してもらえる金額は大きく変化するので、居宅サービスの利用を考える際には、専門家に一度相談をして、アドバイスを貰うようにしましょう。
居宅サービス
介護保険サービスが行われている施設は、以下の4つになります。
それぞれの施設で入居条件や値段等がさまざまで一気に押さえることはとても難しいので、ここでは押さえておくべきポイントに要点を絞ってご紹介したいと思います。
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介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム = 特養)
多くの場合で特別養護老人ホームや特養などと呼ばれており、常時介護が必要な人の入所を受け入れ、日常生活支援や機能訓練、療養支援などを提供してくれます。公的に近い施設ですので、他の施設に比べて安価で入所できるのが特徴です。要支援1・2、新規の要介護1・2の方は利用することができません。
施設のサービスの他に、居住費、食費等が別途にかかってきます。 -
介護老人保健施設(老健)
多くの場合で老健と呼ばれており、在宅復帰を目指す方が主に入所をする施設です。日常生活が送ることができるように、リハビリテーションを中心に、必要な医療、介護などを提供してくれます。要支援1・2の方は利用することができません。
施設のサービスの他に、居住費、食費等が別途にかかってきます。 -
介護療養型医療施設
多くの場合で療養病床などと呼ばれており、長期間の療養を必要としている方が入所する施設です。日常生活が送ることができるように、リハビリテーションを中心に、必要な医療、介護などを提供してくれます。要支援1・2の方は利用することができません。
施設のサービスの他に、居住費、食費等が別途にかかってきます。 -
特定入居者施設生活介護(民間の高齢者向け施設 + 介護サービス)
民間の施設などで、指定を受けた有料老人ホームやケアハウスなどが、食事や入浴などの日常生活支援や場合によっては、機能訓練等を外部サービス等を利用して提供してくれるサービスです。在宅サービスを民間の老人ホームなどで受けるサービスで、介護サービスの費用に関しては、原則1割(所得によっては2割~)で利用することができます。
民間の介護施設であっても、家賃が安価で、さらに介護保険サービスを受けられる施設はたくさんあります。
まずは気になる施設について探してみてください。
地域密着型サービス
地域密着型サービスは「居宅サービス」「施設サービス」であげた介護サービスの小規模なものです。市町村が管轄しているため、地域、地域の風土に合わせたサービスを展開しています。
- 訪問サービス
- 夜間対応型訪問介護・・・利用者様が可能な限り自宅で自立した日常生活を24時間送ることができるようにホームヘルパーが自宅を巡回してくれます
- 定期巡回・随時対応型訪問介護看護・・・ホームヘルパーだけでなく看護師などとも連携しているので介護と看護が一体となったサービスを受けることができます
要支援1・2の人は利用することができません。
- 通所サービス
- 地域密着型通所介護・・・利用定員が19人未満の地域密着型通所介護の施設に通って食事や入浴、簡単なリハビリを受けられます
- 療養通所介護・・・看護師による観察が必要な難病や認知症などの方が、可能な限り自宅で自立した日常生活を送ることができるように看護師と介護士が連携してサービスを提供してくれます
- 認知症対応型通所介護・・・認知症の方に対して専門的なケアを提供してくれます
食費や滞在費などの日常生活の費用は別途で負担する必要があるので注意しましょう。
要支援・要介護のレベルで受けられないサービスやかかる金額も変わってくるので必ず詳細については専門家に確認を取りましょう。 - 施設サービス
- 認知症対応型共同生活介護・・・認知症の方が5人~9人を一つのユニットとして少人数で共同生活を送る施設です。認知症に理解のある専門のスタッフが、日常生活支援や機能訓練を提供してくれます
食費や滞在費などの日常生活の費用は別途で負担する必要があるので注意しましょう。
入居には条件がありますので、入居を検討する際は専門家に相談しましょう。
グループホームのほか、定員の数が限られた小規模の地域密着型介護老人福祉施設入所者生活介護、地域密着型特定施設入居者生活介護があります。 - 訪問・通所・宿泊が複合したサービス
- 小規模多機能型居宅介護・・・可能な限り日常生活を送ることができるように、利用者様の選択に応じて、通所サービスを中心に宿泊や訪問等を組み合わせて提供します
- 看護小規模多機能型居宅介護・・・可能な限り日常生活を送ることができるように、利用者様の選択に応じて、介護サービスに加えて、看護サービスを選択して利用することができます
食費や滞在費などの日常生活の費用は別途で負担する必要があるので注意しましょう。
要支援・要介護のレベルで受けられないサービスやかかる金額も変わってくるので必ず詳細については専門家に確認を取りましょう。
介護が必要になった時はどこに相談をすれば良いのか?
要介護認定と認定調査
要介護認定を受けるには、住んでいる市町村への申請が必要です。申請窓口は地域によって多少の違いがある場合もありますが、原則は以下の3か所で申請することができます。
- 市区町村の窓口
- 居宅介護支援事業所
- 地域包括支援センター
申請窓口は各役所に設置されておりますので、総合受付などで、要介護申請の旨を伝えて案内をしてもらいましょう。申請書の他に、介護保険の被保険証、主治医(申請書に記載する)、印鑑(申請者がご本人やご家族様以外の場合)が必要になりますので忘れずに用意しておきましょう。各書類などの手に入れ方は以下の通りです。
- 申請書(正式には、介護保険要介護認定・要支援認定書と言いますが、介護保険申請書で多くの場合は通じます)
- 市区町村の介護保険課の窓口
- 地域包括支援センター
- 市区町村のホームページからダウンロード
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介護保険の被保険証
特定疾患の方が65歳未満で申請をする場合は、医療保険証を用意しましょう。 - 主治医
- 主治医がすでにいる場合は、病院名と医師の名前を記入しましょう
- 主治医がいない場合は、市町村が指定する医師の診断を受けて、病院名と医師の名前を記入しましょう
内科、耳鼻科、眼科など主治医が複数いる場合は、原則として内科の先生の名前を記載することが無難です。ただし、介護の原因となる病気が脳の病気等の場合は、脳外科の先生の名前を記入することもありますので、わからない場合は専門家に尋ねましょう。
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印鑑
申請者がご本人やご家族様以外の場合は印鑑を忘れずに用意しましょう。
利用者様が出向けない場合や、遠方で役所まで行くのが困難という場合は、ご家族様による代理の申請や郵送などでの申請も可能ですので、状況に応じて、役所や自治体に電話をして申請手段を尋ねるようにしましょう。
申請後は、調査員による訪問調査が行われます。この調査は、どの程度の介護が必要なのかを判断する調査です。日々の暮らし等をヒアリングされますので、ありのままを伝えましょう。
また、この段階で市町村から主治医へ意見書の作成が依頼され、委託されます。
申請書を提出すると後日市区町村から訪問調査の日時に関する連絡がありますので、そこで希望の日時を伝えてください。
介護保険の申請に関する疑問や悩みがございましたら、『北摂の老人ホーム・介護施設相談室「ういず」』にお気軽にご連絡ください。北摂エリアでは、どんな介護サービスが受けられるのか、どこの施設に空きがあるのかなど、介護保険の申請から、入居施設探しまで、高齢者のお悩み事に関しての総合窓口として、どんなご相談にも柔軟にご対応いたします。
認知症について
認知症とは、脳の細胞の死滅や働きが悪くなることで起こる障碍のことです。
「同じことを何度も言ったり聞いたりする」「置忘れや物忘れが目立つ」「目的もなく外をうろうろする」など、その症状はさまざまです。
高齢者の介護の話になると、この認知症の話は切っても切り離せません。
かつては『痴呆症』などと呼ばれていましたが、差別的なニュアンスがあるため、2004年に改編されました。
もしかしたら、利用者様の世代はこちらの『痴呆症』の方が、なじみがあるのではないかと思います。
自分はまだ若いから大丈夫。うちの利用者様は記憶もしっかりしているしハキハキと話すからまだ心配はしていないという方もいらっしゃるかもしれませんが、認知症は初期症状が分かりにくく、突然発症するものです。認知症にならないようにするために、そしていざなってしまった時に慌てないために、余裕のあるときに勉強をしていくことが大切です。
また、うちのおばあちゃんが認知症かもしれないと思った方もいるのではないでしょうか。以下の項目を読み進めていただければ、認知症について理解ができて、どこに相談をすれば良いのかがお分かりいただけると思います。
認知症についての基本事項
認知症について押さえておかなくてはいけないのは、症状・発見方法・予防方法です。
うちの利用者様は本当に認知症なのか、単なる物忘れなのかを見極め、早期に適切な処置をすることが悪化を食い止めることに繋がります。
早期に見極めるためにも認知症の原因と症状について理解することが大切です。認知症にはいくつかの種類があり、それぞれ原因も違いますし、症状も分かれます。
今回は認知症の中でも特に割合が多い、アルツハイマー型認知症、脳血管性認知症の2つの症状について、症状・原因・予防方法について見ていきましょう。
アルツハイマー型認知症
認知症の中で一番多いとされているのが、このアルツハイマー型認知症です。このアルツハイマー型認知症は、タンパク質の一種が脳に蓄積されることで神経細胞が破損し、脳が委縮することが原因で発症するとされています。
初期症状としては、単なる物忘れではなく直前の行動が記憶から抜け落ちてしまうというケースが見られるのが特徴です。
例えば、夕食の献立を覚えていないという症状よりも、夕食を食べたことを記憶することができないというケースが見られるようになります。このような症状が見られるようになったら専門の医療機関を受診しましょう。症状を完治させる治療法は今のところ見つかっていませんが、症状を改善させる、進行を緩やかにする薬は開発されています。
また、予防方法についてですが、加齢や遺伝に加えて糖尿病や高血圧などが原因の一部であると近年科学的に証明されました。そのため、日ごろの生活習慣などを改善することで発病を予防をすることはできるとされています。
脳血管性認知症
アルツハイマー型に次いで2番目に多いとされるのが、この脳血管性の認知症です。脳梗塞などの後遺症としても見られることがあり、脳の血管の詰まりによって機能が低下することが原因で発症するとされています。
初期症状としては、脳の血管が詰まることによる眩暈に始まり、意欲の低下や不眠症に陥るケースなどが見られるとされています。
また、大きな特徴として脳の血管の詰まりが原因のため影響を受ける部分が限定的で、できることとできないことが明確になってくることが挙げられます。そのため、物忘れなどの症状はあるのにもかかわらず、判断力は正常といったケースなど、素人目には分かりにくいことも多いので、兆候が見られたらすぐに専門家に相談することも大切です。
予防方法については、生活習慣病の悪化によっておこる脳血管の障害が認知症の原因とされているため、高血圧や糖尿病にならないように、生活習慣を見直すことが大切です。脳血管障害を早期に発見し、治療やリハビリを行うことで症状の進行を抑えることができるとされています。
このほかにも、パーキンソン病の原因となるレビー小体認知症や前頭側頭型認知症など、認知症にはさまざまな原因が挙げられます。
それぞれ症状や求められるケアの仕方が違うので、認知症かもしれないと少しでも感じたら専門家に必ず相談することが大切です。
認知症と思った時の相談機関について
認知症の初期症状は単なる物忘れなどと勘違いしがちですが、見極める方法がないわけではありません。なので、認知症の簡単な見極め方について知っておくと便利です。
また、ご自身やご家族様が認知症の疑いがあるときには、どこに相談をすれば良いのかを把握しておけば、いざというときに焦らず適格な対応ができるでしょう。
認知症は早期に発見し早期に治療することで、ある程度の症状を抑えることができます。
ひとりで暮らす利用者様は自分の細かい言動の違いはなかなか分からないかもしれませんが、65歳を過ぎてからは、最近物忘れがひどくなった、自分のいる場所が分からなくなったなど、これまでの自分に対して違和感を覚えることがないかどうか、常にアンテナをはることが大切になってきます。
自分から認知症で病院へ行くのは少し抵抗があるかもしれませんが、早期に治療をすることで症状を格段に抑えることができますので、まずは信頼のおけるご家族様や地域のケアマネージャーなどに一言相談をしてみてください。
最近は「物忘れ外来」の登場など、世間の認知症の理解は格段に進んでいます。近所にそうした病院があるかどうかもぜひチェックをしておきましょう。
『北摂の老人ホーム・介護施設相談室「ういず」』でも認知症に関する相談も常に受けつけていますので、まずはお気軽にお電話ください。
認知症の方向けの施設について
認知症になっても可能な限り自立した生活は送りたいものです。しかしながら、ご家族の皆様は同居の場合でも、近隣にお住まいの場合でも、お仕事の都合がありますし、そもそも遠方にお住まいの場合は常に面倒を見ることはできません。
だからといって、認知症の利用者様を一人で生活させておくのは、不安も多く施設を検討している方もいらっしゃるのではないでしょうか。
最近では認知症に対応した施設もだいぶ増えてきて、有料老人ホームなどでも認知症の方の受け入れをかなり積極的にされている施設もあります。もちろん、そうした施設でも良いですが、まだまだ自立して色々とできるし施設への入居はちょっとと思われている方も多いかと思います。
そんな認知症の方へ自信をもってオススメしたいのが、グループホーム(認知症対応型生活介護)です。
グループホームは、認知症の方の受け入れに特化した施設ですので、在籍しているスタッフが認知症に理解のある方が多く、専門的なケアを受けることができるのが特徴の一つです。
また、5人~9人で形成される、ユニットという小さな単位で在宅に近い環境で共同生活を送りますので、施設への入所には抵抗がある方でも生活しやすい環境かと思います。
自分でできることは基本的には自分で、補助が必要な場合だけ専門のスタッフが手を貸してくれますので、自立度の高い生活を送ることができます。
また、入居の条件がグループホームのある市町村に住民票があるということですので、住み慣れた町を離れる必要がないのは大きな魅力の一つです。
ですが、グループホームごとにお食事に力を入れていたり、レクリエーションが充実していたりなど特徴があるので、入所を検討の場合は専門家の方にぜひ相談をしてください。もちろん、『北摂の老人ホーム・介護施設相談室「ういず」』でも相談を受け付けております。
北摂エリアの全老人ホーム・介護施設について網羅していますので、おじいちゃん、おばあちゃんにとってベストの施設にご案内できるかと思います。まずは、お気軽にご相談ください。