◆疾患基礎知識『脳卒中』脳卒中の種類と原因①

2018.10.06
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こんにちは!北摂の老人ホーム・介護施設相談室ういずの相談員池尻です。

脳卒中の分類

脳卒中には大きく分けて、脳の血管が詰まる『脳梗塞と脳の血管が切れる『脳出血があります。
脳梗塞には血管が狭くなる『脳血栓』と血管が別の物質で詰まる『脳塞栓』があります。
また脳梗塞は成り立ちのパターンから、大きく『アテローム血栓性脳梗塞』『ラクナ梗塞』『心原性脳塞栓』の3つに分類されます。
その他に、一時的に脳虚血(脳に回る血が不足する)状態となり発作的な情報をもたらす一過性脳虚血発作があります。

脳卒中は再発のリスクも高いため、一度脳卒中を起こした利用者様も含め継続的な観察が必要です。

脳梗塞の分類

アテローム血栓性脳梗塞

脂質やカルシウムなどを含んだ細胞や細胞の死骸(アテローム)が塊となって動脈の壁に入り込んでしまうことで動脈硬化が起き(アテローム動脈硬化とも言います)、 血が流れられる幅が縮まり脳梗塞が起きる状態を指します。太い動脈に起こるものであるため、重症化する場合が多い疾患です。
塊は徐々に大きくなっていき、剥がれ落ちて血管を流れることで血管を詰まらせることもあります。
また徐々に血流が減っていくことから、脳梗塞が発症する前に一過性脳虚血発作(TIA)という症状が発生することも多いです。
因みに初めてTIAが出てから1か月以内が最も脳梗塞が起こりやすいといわれていて、特に最近の研究ではTIA発症後48時間以内に脳梗塞を発症する例が多いとされています。そのため初めてTIAが出たというときは、入院して精密検査を実施し速やかに治療を行うことが必要とされています。

【症状】
一時的に「片側の」目が見えなくなったり、「片側の」顔面や手足の感覚・機能がなくなったり、麻痺したりします。またそのほかにも皮膚感覚の麻痺、言語障害、意識障害、失語、めまい、吐き気・嘔吐、嚥下障害などが生じます。
【要因となるもの】
喫煙、肥満、糖尿病、脂質異常症、高血圧などが塊を作る要因となります。

ラクナ梗塞

高血圧で血管に対する圧力があがると血管が傷つきます。傷付いた血管は自己修復し硬く、もろく、そして厚くなります(動脈硬化)。そのことにより、特に「穿通枝」という脳にある細い血管が詰まるのがラクナ梗塞です。
小さな梗塞であるため、脳梗塞の中では最も症状は軽症です。また、きわめて病巣が小さい梗塞では、自覚症状がまったくありません。これは「無症候性脳梗塞(隠れ脳梗塞)」と呼ばれています。
また、ラクナ梗塞が脳の複数個所に発生し、少しずつ症状が進行していく場合は「多発性脳梗塞」と呼ばれます。病状が進行し複数個所で血管が詰まると、認知症の原因にもなります。

【症状】
手足や顔面のしびれ、軽い麻痺(マヒ)、歩行障害、言語障害、嚥下障害などがみられることが多いです。認知症の原因となることもあります。また、意識障害はあまりありません。
【要因となるもの】
高血圧を始めとした脂質異常症(高脂血症)や糖尿病などの生活習慣病と、加齢、喫煙などが原因となります。

※この疾患にかかった著名人(西城秀樹さん、桜井和寿さん)

心原性脳塞栓

脳の血管における問題ではなく、心臓など他のところでできた血栓(塊)が流れてきて脳で詰まることで発症します。脳で徐々に進行するわけではないので突然起こり、症状も急激に強く襲ってきます。また、複数個所に塞栓(血管に蓋がされてしまう)が起きることも少なくありません。血流が正常な状態で急に血管が塞がれるため、詰まった部分が壊れて再度血流が再開すると、今度は圧力が強すぎ血管を壊し出血をもたらすことも多いです。
原因としては心臓で血栓が作られ流れてくることが最も多く、その原因は不整脈(心房 細動)が中心となります。
心房細動は気づかない場合も多く注意が必要です。

【症状】
突然、手足の麻痺(マヒ)、感覚障害、意識障害などが一気に起こります。
【要因となるもの】
心原性脳塞栓の原因となる場合が多い心房細動は加齢、高血圧のほかに飲酒や喫煙、過労、ストレス、暴飲暴食、睡眠不足などの不規則な生活等により発症リスクが高まります。

※この疾患にかかった著名人(長嶋茂雄さん)

 

◆本日の一冊◆

壊れた脳 生存する知 (角川ソフィア文庫)

三度の脳出血により高次脳機能障害者となった一人の女性医師が、心身をおそう数々の出来事に戸惑いながらもつぶさに観察し、「見えない障害」を世に知らせることを人生の新たな仕事として発見していった感動の記録。

3度の脳出血で重い脳障害を抱えた外科医の著者。靴の前後が分からない。時計が読めない。そして、世界の左半分に「気がつかない」…。見た目の普通さゆえに周りから理解されにくい「高次脳機能障害」の苦しみ。だが損傷後も脳は驚異的な成長と回復を続けた。リハビリをはじめとする医療現場や、障害者を取り巻く社会環境への提言など、障害の当事者が「壊れた脳」で生きる日常の思いを綴る。諦めない心とユーモアに満ちた感動の手記。

 

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